今日は、トリッカーのフロントフォークのオーバーホールをしました。
しかも、大阪より来られた、トリ仲間の某M氏の視察込みです。
当初、オイルの滲みをチェックして、必要ならOHしようか、って程度に緩く考えてたんですが、
M氏のOHへの期待というか、圧力を感じて、OHすることに決定です。(笑)
まぁ、そんなことは予想の範囲だし、フォークオイル交換を完璧にするために、中に溜まった汚れを洗いたかったってーのもあります。
それに、シールセットはすでに買ってあるしね。
午前中は、M氏のキビシイ視線を感じつつも、まったりと分解作業と清掃作業が進んで行きます。
やはり、一度TLRで経験済みの作業なので、少しだけ自信もあります。
スタンドに載せる前に、固いボルト類は予め緩めておき、
外せる物ははずして、作業をしやすくするなど、だいぶ段取りも良くなってきました。
懸案だったダンパーロッドボルトは、「緩んでた?」って思えるくらいにあっさりと回り、
オイルシールとスライドメタルも、インナーチューブととともにすんなり外れました。
もう、物足らないくらいにスムーズな進行。(笑)
TLRでやった「ナイロンチューブを使った洗浄」を披露した後は、注文をしていたシール関係の部品を取りに、M氏とともに2号でYSP神戸中央へレッツゴーです。
で、この段階でセンセーショナルな事実が・・・。
実は、注文していたのは、フォークのシールじゃなくて、なんと、ディスクのシールってこと。
(゜◇゜)ガーン!
アホでんがな・・・。
言い訳しますと、ここの所、BAJA、TLR、トリッカーと、散発的に部品を発注していたので、
どうも、色々と混乱していたようです。(汗)
無いものは、仕方がないですね。
部品は交換しません、てか出来ません。
そういうわけで、オーバーホールと言うよりも、単なる「フロントフォークの解体ショー」になりました。(笑)
某M氏からは、「まぁ、練習になって良かったのでは?」と慰めの言葉。(T^T)
ま、本番に備えた予行演習ってことで・・・。
神戸ならではの、豪華洋食のランチでお腹を満たした後は、気を取り直して、組み立てです。
組み立てで、もっとも気を遣うのは、アウターのスライドメタルとオイルシールの打ち込みです。
まず、スライドメタル(アウター)を打ち込みました。
使った道具は、このために用意した「スライドハンマー」。
がんばれー、スライドハンマー。
今回のプロジェクトの出来は、キミの働き如何に掛かってるぞー!
スライドメタルの上に「ワッシャー」を載せて、その上からスライドハンマーのアタッチメントを当てますが、ここで問題発生。
どうも、アタッチメントが短いために、完全にスライドメタルが収まりきらない様子。
一度、オイルシールを打ち込んだものの、オイルシールクリップが完全に収まりません。
仕方がないので、再度引き抜いて、調べたところ、スライドメタルは、それが収まる凹みにピッタリを面一で収まる寸法になっているものの、買ってきたスライドハンマーのアタッチメントでは、やはり長さが足りない事が発覚しました。
ダメじゃん、スライドハンマー!
ネットなどの解説を見ると、交換した部品などをあてがってやるとのことでしたが、こういうワケがあった?
ここで、M氏と「使えそうな塩ビパイプを探そう」いう話が出ましたが、一つ思い直して、もう一方で使うワッシャーを使って2枚重ねにすれば、ギリギリできるかも?ってことでやってみたら、なんとか収まりました。
スライドメタルが、規定の位置に納まると、オイルシールもすんなり収まって、オイルシールクリップも嵌りました。
ここまで来ればもう後は、前回のTLRと同じなので、楽勝です。
規定のフォークオイルを入れ、スプリング、ワッシャー、カラーを収めて、フォークの組み立て完了。
フォークをフレームに組み付けて、全ての部品を規定トルクで締めて、作業終了。
早速、ブレーキをかけて、フォークの具合を診ましたが、やはりオイルが新しくなったせいか、かなりスムーズな感じ。
もっとも、完全エアーが抜けていなくて、そう感じたのかも。(笑)
辺りが暗くなった頃、予行演習が出来たと、満足げな某M氏は、愛車ムーブでご帰還されました。
後で、フロントフォークの具合を診ましたが、オイル漏れは見られないものの、フルにストロークさせると、ギコギコといった音が出るみたい。(汗)
フォークからのものかどうか確認していないですが、スライドメタルを痛めた可能性は大きいので、後日部品が届いたら、フロントフォークOH「本番」を行おうので、それまでの我慢。
【トリッカーフォークOHのポイント】私が気が付いた点です。
・スライドメタルとオイルシールの引き抜きは、勢いをつけずに、じわっと引っ張るようにして、スライドメタルを傷つけないようにやること。ただし、このやり方は、部品交換前提と考えた方が良いです。もし、交換をしない分解なら、員アーチューブの内圧を上げて取り出すやり方を取るべきです。
・部品を洗油で洗った場合、よく乾かしましょう。洗油が残っていると、フォークオイルを劣化させる恐れがあります。
・スライドメタルやオイルシールの打ち込みでは、市販のスライドハンマーのアタッチメントの長さが足りないことがあります。塩ビパイプやワッシャーなど、補助する治具を用意するか、交換した部品を利用する必要があります。
交換済みの部品などは、捨てずに取っておいたほうが良いです。
塩ビパイプを使いやすいようにカットして工夫した方が、安価かつ使える工具になると思いますが、その際は、オイルシールのリップの保護も考え、使い古しのオイルシールをあてがう工夫も必要そうです。
・逆に言えば、スライドメタルとオイルシール交換前提であれば、軽く弾みを付けてインナーチューブを抜こうとすれば、
数回のコツコツで、あっさり抜けます。
・スライドメタルやオイルシールの打ち込みでは、マニュアルに書かれたとおりに、扇動用のオイル、グリスをしっかり塗りましょう。そうすれば、大きな抵抗無く、すんなりと収まるので、それぞれを痛めるリスクも減ります。
・オイルシールクリップは、水分の侵入で錆がちなので、組み込んだ後に、シリコングリスなど、オイルシールに影響を与えない防錆処理をしておいた方が吉です。
・上記のポイントに気をつければ、トリッカーのフロントフォークのオーバーホールは、意外に簡単です。
ただし、交換部品はしっかり揃えておきましょう。(^_^;
・【追記・重要】後日、ソケットボルトが、緩みました。ネジロックを付けていないこともありますが、もう一つ大事な点は、ネジの部分の油分をしっかり取っておくことではないかと思います。油分を取ることと、後日の点検(安定するまでは毎日)は必須です。
★そういえば、サービスマニュアルの記載に、一部誤りを発見しました。