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2014年06月22日
ガス工事の事
さて、いよいよ禁断のガス工事です。
ガスの工事は、基本的に資格をもった人じゃないと出来ないことになっています。
だけど、色々あたったものの、今のところやってもらえる人が見つからないので、Studyです。情報をかき集めて、ひとまず自分でどこまで出来るかやってみました。
とにかく、ガスの知識はゼロなので、出来うる限り調べました。
といっても、免許がからむ専門分野の情報はなかなか探すのにも苦労しますが、下記のサイトの記述やPDFファイルから、得られます。
・配管に関する知識>「nipple 技術資料」
・LPガスに関する情報>「一般社団法人日本エルピーガス供給機器工業会」
施工の並びは、
ボンベ>調整器>ゴム管>ガス管>ガス栓>ガス可とう管>燃焼機器
となります。
この中で、ゴム管の接続は素人でも問題ないけど、この位置でのゴム管を使うのはたぶんイレギュラー。
ボンベを引き出し可能にするために使っているけど、本来であれば、調整器を直にガス管に繋いで固定するのがルールのはずです。
【ガス管】
ガス管は、ストレートや曲がりの部品を組み合わせて、現場に合わせた配管をします。
ガス管やガス栓などの接続はネジ込みによる接続ですが、密着性を良くする為に先端に向かって傾斜がついた「テーパーねじ」が基本です。
機械などで普通に使われる「平行ネジ」とは扱いが異なり、ねじ込んで行くと途中から入らなくなります。
ねじ込みでの接続には、密閉性を高める為に、シールテープやシール剤を使います。
これらシール材の選択も細かな指定があって、ガス会社指定のシール材を使うことになっています。
より安全性を高める為でしょうけど、都市ガスに関してはより安全性に厳密でであるようで、特定の製品が指定されほど厳密なのは想定外でした。
LPガスは、自由販売の制度の関係か、シールテープやシール剤の使用は、それぞれの施工責任者の判断に任されるようです。
シールテープ、シール剤のそれぞれの特徴があります。より確実性が高いのはシール剤のようですが、一旦接続した管を外す時には、シール剤を剥離する手間が必要になります。対して、シールテープを剥がすのは容易です。
シール剤は硬化まで時間がかかるので、締付け後の調整が可能ですが、テープの場合は、逆に回すと密着性が低下してしまいます。なので、締め込み過ぎたら、テープを巻き直して閉め直しです。
それでも、素人の私には、テープの方が扱い易そうだったので、先ずはテープを選択して、施工の結果次第で、テープ+シール剤でいくことにしました。
この手の白いシールテープは、水道管の接続でも使われますが、「ガス用は別」と考える方が適切なようです。ガスと水では求められる気密性のレベルが異なるし、化学反応の心配もあるので、ガス用を謳ったものが安全でしょう。ブランドへの信頼度も異なるようで、3Mなどの大手基材メーカーの製品を薦める意見が多いです。
テープにも巻き方があって、ネジの先端2山を残して、ネジを締める方向に2〜3重に巻きます。
ネジがピッタリと接合する部分はネジの中間辺りですが、そこに絞め込むまでにテープが引っ掛からないような巻き方をするように留意します。
配管は錆び止めの油が付いてるので、最初にパーツクリーナーで脱脂しましたが、脱脂をしたまま放置していると錆が出るので、締付けの直前に脱脂した方が良いようです。
どの程度の強さで締付けるかは資料に出ています。「ネジ山」「残りねじ山」「締付けトルク」などの基準がありますが、テープの巻き方にも拠ると思うので、それら規定値を念頭において、最後は「感覚」になるでしょうか。
テーパーネジなので、締付けトルクが大きくなった時、見た目の絞まり具合で判断しました。
結果的には、残り3山ほどのところで完了としました。
ちなみに、15Aガス管の締付けトルクは39.2N・mとかなり大きいです。
大きめのボルトのそれと同じくらいですが、さらに大きな径の、しかもテーパーなのでそういう数値になるんでしょう。
配管の接続が難しいのは、「エルボ」と呼ばれる直角の配管部品の角度を整えながら、締め込みを調整するところです。
今回は、偶然にも、一発でちょうどいい角度で閉め込む事が出来ましたが、中途半端な角度でしか固定できないとなると、無理に絞め込まずに、テープの巻数を変えるなどしてやり直す必要があったでしょう。
【ガス栓と可とう管】
据え置き型のコンロやオーブンを接地する場合、配管の先にガス栓が付いている事が多いですが、燃焼器とガス栓の間は、「可とう管」と呼ばれる、少し柔軟性がある管で繋がれています。
金属の蛇腹がベースになているらしい「金属可とう管」と樹脂ベースの「燃焼機器接続(強化ホース)」の2タイプを使い分けますが、目的は、設置性の向上と、地震などでの揺れの吸収にあるようです。
コンロやオーブンの設置に関する限り、どちらを選択しても良いようですが、ビルトインオーブンなど、普段の点検が難しいスペースに収まる場合は、より安全性が高い金属可とう管を使うのがルールな様です。
私は、この点を見逃してうっかり強化ホースを買ってしまいました。しかも長さも長過ぎ・・・。
安いものではないので、出来ればこのまま使いたいけど、指摘があれば金属可とう管に変更するしか無いでしょう。
ガス栓は、大抵の場合、可とう管とガス管の間に設置します。ガス管にも種類があって、ガス管のみで使うのもと可とう管に繋ぐものに分かれます。
ガス栓は、燃焼機器側に繋ぐケースもあります。可とう管は、接続のねじを締め込んだ際の角度を自由に出来る機構が備わっているので、ガス管やガス栓との接続は確実行えます。燃焼器側にガス栓を繋ぐ場合、ガス栓にこの「自在機構」が必要になります。
普通の台所であれば、ガスの配管を手前に伸ばして、ガス栓>可とう管>燃焼器と繋ぐのがセオリーでしょうけど、走行時の振動が懸念されるカフェバスなので、手前に伸ばしたガス管の揺れが心配されました。
なので、理想的には金属可とう管を背面のガス管からつなぎ、ガス栓>燃焼器と繋ぐのがベストに思えます。
しかしながら、先述のとおり、すでに、ガス管>強化ホースの並びでチョイスしてしまっているので、とりあえず、そのまま工事してみることにしました。
【接続方法】
ガス管の接続は、テーパーネジによる締め込みが殆どですが、ホースや栓の接続の場合、接続の簡便性と確実性を上げる為に、より新しい機構が開発されてます。
私が買った強化ホースには「TU接続」と呼ばれる接続ねじが備わっていました。
これは、シール材ではなく、パッキンによる気密を保つねじ接続機構です。
シール材を使う手間はないし、漏れの心配も少ないので、たぶん最終的な接続をここでやるためなんでしょう。
燃焼機器が、このTU接続に対応していれば、そのままナットの締付けだけで完了しますが、私が買ったオーブンは通常のテーパーネジの仕様でした。この場合、アダプターを付けてTU接続することになりますが、テーパーネジへのアダプターの接続はシール材を使う必要があります。
これが、いわゆる「TUパッキン」。
このパッキンでガスの漏れを防ぐわけですが、一般には流通していないので入手に苦労しました。
結構硬質なゴム素材のようですが、水道の補修などで使うパッキンは、ガスに侵される可能性があって使えません。
【ガス漏れテスト】
さて、配管にガス栓を取り付けたところで、ここまでの配管のガス漏れをテストしました。
出来た配管をボンベの調整器から繋いでバルブを開くと、調整器に繋がるホースのボルトから、シューシューとガスが漏れ始めました。
調整器のホースのボルトをシールして絞め込む事をうっかり忘れていました。
ガス管と同じ要領で、ホースのボルトを締め込むと漏れは収まったようです。
ガス漏れは、石鹸水などを接続部に付けて泡の有無で確認すようですが、専用の漏れ試験用発泡材を使いました。
接続部に塗布して泡がブクブクと出ると漏れてることになりますが、それらしいブクブクは出てきません。
上手くいったっぽいですが、点検の折りにはっきりするでしょう。
続いて、ガス管>可とう管>燃焼器と繋ぎ、どうようのリークテストをしましたが、ブクブクは無し。
ブクブクが無いので、逆に、上手くいったのかどうか判断がつきません(汗)。
どこかでわざと漏れさせてテストをしてみるかなぁ。
これが実際の出来上がった配管です。
強化ホースの先に燃焼機器を繋ぐと完成です。
間違った部品を揃えた為、ガス栓がオーブンの後側についてしまい、さらに強化ホースは無闇に長めです。
営業が終わってしまえば、ボンベ本体の栓を閉じるフローなので、元栓は開きっぱなしになると思うけど、さて、点検を待ちます。
投稿者 aw@bitlog : 2014年06月22日 18:23
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