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2014年05月14日

鹿腿解体

風邪はだいぶ良くなったものの、本調子にはほど遠い状態のようで、
1時間作業をすると、1時間は休憩する体たらくです。
午後の作業も始めたものの、どうにも疲労感があるので部屋で休んでいたら、携帯が鳴りました。
軍曹からです。
軍:「鹿要るかー!」
2秒程考えて、
私:「要ります!」
軍:「8本あんねん、何本いる?」
3秒考えて、
私:「2本もらえます?」

そんなわけで、すぐに1号を飛ばして、腿肉(たぶん、後脚?)を2本頂きました。
少し小振りですが、「獲れたて」なのでプリプリしてます。
軍曹曰く、風通しの良いところで、一晩つり下げておけばより美味しいとか。
生憎、実家には、生肉を吊るすに好都合な場所などないので、速攻解体することにしました。

鹿肉は脂肪分が少ないので、解体は容易な部類です。
筋肉は、筋肉を固定する膜(=筋膜)で覆われている構造なので、その膜に沿って切り離していくと、割合にスムーズに分解出来ます。
ただ、筋膜は、イカの表皮みたいに、粘っこくて収縮性に富み、強靭なので扱いは簡単ではないです。

筋膜を上手く割いていくと、こんな具合にばらけていきます。
たぶん、外科的には、各部位に名前があるんでしょうね。
脚の先端に近いスネ周辺は、瞬発力を得る為の硬い筋肉と腱があります。
この部分は、一般的に「硬い」と言われるスネ肉ですが、煮込む程に柔らかくなり、肉の味も濃い部位です。
大きな固まりの「腿」は、スネ程運動量は多くは無いので、肉質は柔らかめで、色もやや薄いです。
これまで料理を作った感じでは、腿は煮込んでも、スジを含んだスネ肉程旨味は出ないし、ゼラチン質も少ないので、生の柔らかい肉質を活かした料理が向くようです。
腿を覆うようにある腹に近い部分は、鹿肉としては脂肪分が多いです。
なので、焼き肉としても使えるようですが、鹿独特の臭いもあるので香辛料を効かせるなどの工夫が必要な気がします。
臭いは、主に筋膜や血液から来るようなので、可能な限りそれらを取り除く事で、「鹿臭さ」は減るようです。
スネ肉は臭いが少ないので、酒などの消臭効果のある調味料で煮込む場合は、下処理なしでもかまいません。
すべての部位を一緒に煮込めば、スネの旨味とゼラチン質や腹に近い部分の脂を含んだものになってバランスもいい感じですが、その場合は、ホルモンの下処理の要領で、一度茹でこぼしてアクを取り除くと臭いが気になりません。
ただし、再加熱すると、肉が硬くなったり、臭いも出て来るケースもあるようです。

骨付き腿一本を細かな部位ごとに分けるとこんなに量になります。
まだまだ慣れていないので、1本捌くのに、1時間ほどかかりました。
でも、パズルを解くような楽しさがあるので、何も考えずに集中できます。
場数をこなせば、もう少し早く捌けるようになるでしょう。
捌いた肉は、部位ごとに小分けして、冷凍しました。
鹿肉は、上手く調理すれば臭いが気になる事は少ないですが、肉を捌く折りは、野生の動物ならではの臭いがあります。
この臭いは結構残留性があるようで、台所などでやっていると、乾燥中の食器などにも移るし、使ったまな板や包丁にもしばらく残ります。
鹿肉を捌くのは、他の場所でやるほうが良いようです。

投稿者 aw@bitlog : 2014年05月14日 21:32

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