祭りの準備
この週末は、我が地域の秋祭りがあります。
その準備は半月程前から始まっていて、村の人が役割分担してやります。
秋祭りは、五穀豊穣を神様に感謝するもので、実は色々と面倒な手続きや作業があります。
神様に出す料理なども、食器や備品は手作りだし、料理も基本、自分たちの地域で穫れたものを昔風の調理方法で作ったりします。
で私はと言えば、その料理長を仰せつかってしまいました。
まぁ、料理と言っても、神様に供えるものも、作業に出ている人に振る舞うものも、混ぜ飯とか煮しめとか、ごくシンプルな料理なんですが、何かと形式があるので簡単ではないです。
神様に供えるもののうち、里芋を塩茹でしたものがあるんですが、これは親芋を使います。
普通、里芋で食べるのは小芋ですが、神前に供えるのは親芋と決まっています。
地方の祭りで里芋を供えるというのはどの地域でも見られるものですが、理由は、一つの親芋に対して沢山の小芋が出来る様が子孫繁栄を表すからだそうです。
私の地域では、その親芋を、大小、厚さ1センチ程の円柱状に切ったものを鏡餅の様に重ねて供えます。
まさに、お正月の鏡餅の代用ですね。
じゃぁいっそお餅でいいじゃん、って思いますけど、祭りの時期には米の収穫は間に合わないし、そもそも米が貴重だった頃の祭りだからなどという理由があるそうです。
で、その親芋の塩茹でですが、いきなり作るのも上手くないんで、試作をしてみました。
親芋はそもそも芋茎(ずいき)と呼ばれる茎に近いので、組織的にもその性質を帯びます。
色は、やや紫味を帯びて、食感もややスジっぽい感じです。
見栄えが良いのは餅の様に白いものだ、って言われたものの、そもそも白くないので無理ってものです。
皮を剥いて、自ら煮こぼしてアクとぬめりを取り、再び水から茹でて、今度は塩を入れ、煮崩れしない様に弱火で煮ました。
竹串がなんとか入る程度で火を止め、そのまま冷まして塩味をしみ込ませます。
小芋は白く仕上がるんだけど、やっぱり親芋の色は悪いなぁ。
さて、今日は料理長として二度目の仕事があります。