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2008年05月10日
環境対策の不可思議
最後にバイクを買ってから、もうずいぶんになります。
たぶん、20年くらい前に買って以来。
まったく興味が失せた訳ではなかったけれど、
バイクを取り巻く環境の変化には気がついていませんでした。
せいぜい、2サイクル車が厳しくなったってことくらい。
1998年の排ガス規制まで、バイクにはまったくそういった規制がなかったとか。
クルマの場合は、とっくの昔に厳しい排ガス規制への対応がなされていたものの、
バイクの場合は、その特殊性から後回しになっていたようです。
1997年に、「京都議定書」が策定され、その流れで、翌年バイクへの対策が急がれた、という話があります。
その結果、2サイクルエンジンは、対応出来ずに全滅しました。
2007年には、世界で最も厳しいといわれる排気ガス対策が施行され、キャブレターから、燃焼管理がやりやすいFI(フューエル・インジェクション)への転換がなされるとともに、対応が難しい機種は、消えていきました。
最初の排ガス規制では、クルマと同じように、マフラーの部分に触媒がつきました。
そうすると、排気抵抗が強くなって、どうしても出力が落ちてしまいます。
ほとんどのバイクは、1〜2割の出力の低下になり、大型車では、排気量のアップでカバーしたようです。
インジェクションそのものは、出力ダウンの原因ではないですが、燃料を噴射させる為の燃料ポンプと、それを動かす為のバッテリー容量のアップで、重量とコストが嵩みました。
さらに、それらの複合的要因で、燃費もかなり悪化しています。
わかりやすく言えば、排気ガス中の有害物質を除去するために、
非常に効率の悪いエンジンになっているといってもいいでしょう。
別の言い方をすれば、有害物質は減ったけれど、Co2の排出量は増えてしまっているってことじゃないでしょうか。
さらに、厳しい規制に対応出来ない機種が出てきているようで、
小排気量車を中心に、販売終了車種が増えています。
環境への対応は、バイクも例外ではないと思いますが、
絶対的な環境負荷が少ないモデルから先に消えて行き、
規制に対応する為に、排気量が増えていくやり方で、果たして上手くいっているといえるのか、
気になるところです。
投稿者 aw@bitlog : 2008年05月10日 22:16
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コメント
FIは燃費は向上できますしF1なんかのように出力側に振ることも可能です。でもすべからく色々な補機類が付くことや安全性のために重量が重くなり、結果として実用燃費が悪くなってますね。バイクは数年前50ccでFIが出た時、仰天しました。よくこんな小さなエンジンで成立するな、と。クルマもそうですが、排気量を大きくすることや重量に対してもっと税金等を課せることが環境問題のためには必要と思います。小さく軽い、いわゆる「地球に負荷が少ない」乗り物を普及させるため、社会的後押しが必要と思います。しかし米国との摩擦を避けたい日本としては、それが打ち出せずデカいクルマ、デカいバイクが排気ガス規制も緩やかな状態で堂々と入っているのが現状です。技術的にはFI等の技術で環境対応ができるものの、政治的側面からそれらができないでいる、という図式。この問題、根が深いですよね。
投稿者 Oです。 : 2008年05月11日 15:16
FI自体は、燃費向上に有効なんでしょうけど、
たぶん、排ガス規制関連が大きく影響しているんでしょうね。
近い将来、電動バイクが増えると思うんですけど、
短絡的な規制で、正常な技術の進歩をゆがめないでほしいですね。
投稿者 aw : 2008年05月11日 17:08
色々な車種が消えて行くのは、本当に寂しいもんです。
今や4ストで安泰と思われた「モンキー」「ゴリラ」のビッグネームすら、
露と消えてしまいました。
そんな中、業務用途で消すに消せない「ジャイロ」シリーズも、年始当たりかな?
一旦終息した後、ホンダらしい怒濤のハイメカてんこ盛りでモデルチェンジしております。
http://www.honda.co.jp/motor-lineup/gyro-canopy/
主要装備に詳しいですが、4スト水冷単気筒に4バルブ+PGM-FI、センサー付きキャタライザと、
これ以上はターボでも持ち出すしかないお手盛りぶり。
確実に台数が出る車種だからというのもありますが、ホンダの意地と根性を注ぎ込んだモデルチェンジです。
でもねぇ、価格が¥523,950ってのは、もはや原付としての価値観など五〜六遍もひっくり返る程高価です。
あと13万乗せれば、アルト・バンが買えちゃいます。
(屋根無しのジャイロXでも35万から…)
排ガス規制を厳しくするのは、良い事だと思うけど、特にゆがんでいる原付の有り様も含めて、
車両&免許のカテゴライズを再考しなければ、健全な社会要素・産業要素としての、
バイクの未来が閉ざされてしまうでしょう。
でも、無能な我らが政府・国会にそれは期待できそうもないですなぁ…。
投稿者 おむ : 2008年05月11日 19:47
モンキーとかゴリラが、どれくらい環境破壊してるかってことですね。
それらがダメで、その何十倍も資源を使って作られた、何十倍もの排気量の車がOKというのがよくわかりません。
車関係ばかりじゃなくて、農林業にしろ、酪農にしろ、
政策にビジョンがなくて、場当たり的なので、それぞれの業界は振り回されっぱなしで大変です。
投稿者 aw : 2008年05月12日 00:31