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2008年05月02日

酷道三昧な帰り道

今回の長距離ツーリング。
前半の361号線、木曽街道は、なかなかに好印象な道でしたが、
印象に残るのは、良い道ばかりではありません。
一度は、高速を使って大人しく帰ろうと決めたものの、眠気と退屈さで限界。
京都を過ぎたあたりで、ソワソワ。
休憩で入ったSAにて、いつもの「ツーリングマップ」を開くと、
八日市から、桑名間でのおすすめルート421号線、の記載が。

途中までは、やや幅員の狭くなる箇所があるものの、
いい雰囲気の山間の快適な道路が続きます。
路面はきれいでカーブも緩く、2車線あるかぎり、追い越し可能なので、
ハイペースで走れます。
途中からは拡幅工事の最中で、はっきりと幅員が狭くなって路面も荒れます。
さらに、道幅は狭くなって、林道の風情に。
石榑峠(いしぐれとうげ)に出ると、通行制限用の巨大なブロックのゲートが現れます。
それが、扉の写真。
ちなみに、真ん中の四角は、ブロックではなくて、ステップワゴンです、念のため。(笑)
ここから通れるのは、2トン以下。
ミラーの飛び出しが大きい車だと、畳まないと通れないくらいですが、
カッパ2号は、なんとか畳まずに通れました。
「やったぁ、後は下りだけぇ」
って思ったのもつかの間。
「酷道マニア」の中でもその名を轟かせる421号線の本領はこれからでした。

「うっ、せ、せまっ!」

しかも路面はデコボコで、急傾斜です。
聞きしに勝る酷道です。
腹すりそぉ〜。
つか、擦ったかも。(汗)
ちなみに、程なくビデオカメラは、ギブアップ。
悪路での振動に耐えかねて、Gセンサーが作動し、録画を停止しました。(T_T)

桑名を目指したのは、次なるおすすめルートの153号線に向かう為。
153号線は、名古屋から塩尻に向かう国道ですが、
特に、豊田から飯田まので区間(Map)がおすすめという事。
実際、沿道には、良き田舎の風情を残した実にいい感じの味のある風景が続きます。
多分、昔からある家屋が多く残っているのと、画一的な今風の建物が少ないせじゃないかと思っています。
なかなかに走りやすい道ですが、唯一の難点は、追い越し可能区間がやや少ない事くらい。
そんなご機嫌な気分も、中央高速と交わるあたりまで。
飯田手前で、塩尻方面を目指す車で混み始めます。
渋滞と間ではいかないまでも、自分のペースで走る事に慣れてしまった私には厳しい。
しかも、とっぷりと日が暮れて、気持も沈み気味。

「こんなの楽しくない・・・」

で、ナビの画面をみると、天竜川を挟んで平行に走る県道発見。
経験的には、この道は、地元の人が通る空いた道です。
迷い無く、ハンドルを右に切りました。
案の定、空いています。
さすが、私。
でも、このままいけば、再び混んでいる153号線に交わるでしょう。
それではつまらない。
で、ここでまたまたひらめきました。

152号線があるじゃないか!」

伊那までの152号線はお馴染だけど、
それより南のエリア(Map)は未経験で情報無しです。
しかも、日がとっぷり暮れた後。
さすがの私も「危険な臭い」を感じます。
試しにナビでチェックすると、無責任にリルート可能のサインが。

「ほんまか?」

ナビを信用すると痛い目みます。
かつて、同じような状況で、通行止めに合い、
途方に暮れながら、逆戻りした経験もあります。
でもねえ、・・・行くしかないっしょ、
ナビで示されたルートに入っていました。
ほどなく、いい感じで道が狭くなります。
辺り真っ暗。
ナビでみると、どうやらダム湖の縁の道を走っているみたい。
変な汗が出てきました。
昼間なら、超楽しいクネクネなのに、
今は、楽しむ余裕がありません。
さらに山深くなって、常にステアリングをクルクル回している状態。
気がついたら、オープンのまま走ってたんですが、
停めると「不安」なので、そのままクルクル、クルクル・・・・。
結構な時間クルクルやっってるのに、いっこうに終わりが見えません。
えーっとですね、正直ですね、・・・怖いです。(汗)
スピードが落ちると、何か変なものが見えそうで、
もう、必死。。
幸い、夜はヘッドライトで対向車の有無がわかるので、
ブラインドでも気を使わなくてすみます。
もっとも、この「林道」で出会った車は1台もありませんでした。
この「1台も出会わない」ってーのは、かなり心細いです。
「通行止め」の不安を振り切りつつ、アクセルを開けました。
コーナーを曲がった先に二つの光が。

「お、対向車か?」

一瞬の安堵の後みたものは、大きな鹿。
光っていたのは、鹿の目でした。
道の脇でお食事中。
私の焦りとは裏腹に、のんびり道端の草を食んでいます。
さらに、スピードを落とした車の前を、イタチのような小動物が駆け抜けて行きます。
この後も、道を横切る鹿に遭遇。
しかも、6、7頭の「群」で。
たくさんの鹿と目が合います。
サファリパークみたい・・・。
当然、停車。
暫し鹿とにらめっこ。

「あ、ブログの写真取らなきゃ」

って、カメラを手探りはじめたら、
殺気を感じたのか、鹿達が闇に消えていきました。
「なんで、こんな時間に人間がウロウロしてんだぁ」って鹿の声が聞えてきそう。
この後は、対向車だけじゃなくて、動物にも気をつけて走りました。
人家の明かりが見えてほっとしたのは、20年ぶりか・・・。
夜の林道は、これで最後にしたいです。

【421号線ダイジェストムービー】203MB

辺りの様子が見えない夜、狭い道と悪路という、
まぁ、結構ヘビーな状況でのクネクネでしたが、
条件が悪いほど、NCの扱い良さに気付かされた事も事実。
4mに満たない全長と、見晴らしの良いオープン、
サポートはイマイチながらも、ほぼ完璧なドライビングポジションと、
文句の無いハンドリングのおかげで、
狭い悪路のクネクネを、手足のように駆る事が出来るのには、感動的ですらあります。
ビルシュタインのサスも良く動いてくれて、乗り心地も十分に快適なレベルです。
「高速から林道まで」
これほどオールマイティーに使える2シータースポーツもないでしょう。
希望を言えば、5センチほど車高を上げられるサスペンションなら、
腹をするような国道でも気を使わなくて済みます。
もっとも、そんな道を走る人は少ないでしょうね。(笑)

投稿者 aw@bitlog : 2008年05月02日 21:14

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コメント

なんじゃ、これは!
R421、ステキです(^^ゞ

ということで、次回は茅野から浜松目指して、R152制覇の旅に出ましょう。
当然、昼間ね!

投稿者 Nylaicanai : 2008年05月03日 07:44

夜の林道、オープンは・・・
いつの間にか横に乗ってこられますよw
シフトノブ握る手に、そっと冷たい手を添えられませんでしたぁ?
>5センチほど車高を上げられるサスペンション
確かに、欲しいですね。林道ではアイポイントも上げたいし。
隆起登りきった先が見えないことが多々・・・コワイ

投稿者 路渡カッパ : 2008年05月03日 11:48

>Nylaicanaiさん

目標は、うなぎですか(笑)
それとも、うなぎ食って、スタミナつけて、走る?

>路渡カッパさん

もうずいぶん昔。
バイクで山中を走っていると、
若い男の子が、林から飛び出て来ました。
道に迷ったって、ガタガタ震えていてね、
仕方がないので、後ろに乗せて麓まで走りました。
この子が、後ろで掴まってるんだけど、
寒いせいか、ずっと震えていてね、
体が冷たいんですよ。
その子は、一言お礼を言ってバイクを降りたんだけど、
別れてすぐに、バックミラーを見ると、

・・・そこには誰もいなかったんです。

投稿者 aw : 2008年05月03日 20:52

クルマの通行制限は普通にいろいろありますが
普通はガードレールやゴツくてもコンクリートの柱ぐらい
ここまで頑強な意思を感じるものは初めて見ました
凄い!

投稿者 しんさん : 2008年05月07日 08:07

そう、「意思」を感じますね。(笑)
でも、それくらいに、ここから名古屋側の道は険しいです。
重量のあるトラックなどが通ると、崩れそうなくらい。
ところが、壁の高いところに、明らかに無理やり通った痕がついているんですよ。
無茶ですね。

投稿者 aw : 2008年05月07日 08:54

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