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2008年03月09日

マイ・ソウルカー、「ランティス」

昨日、2008年3月9日、長年の念願が叶いました。
マツダ「ランティス」に接近遭遇です。
以前、相模原にある某湖で会話を交わしたビートのオーナーのもう一台の愛車が「ランティス」ってことを知って、
図々しくも、写真撮影をお願いしました。

【What's ランティス?】

ランティスは、1993年にマツダが発売した、いわゆる「パーソナル4ドアクーペ」。
起源は、ファミリアの派生車種であった、アスティナの系譜。
派生車ってことで、有り合わせの資源を有効活用して、車種を増やそう、みたいな感覚だったのかもしれないけれど、
最終的に、ランティスになった頃には、2000ccのV6も載ってパワフルなスポーツクーペになりました。
海外では、デザインの評価も高く、セールス的にも成功したようですが、国内では無残だったようです。
こういった、新しいデザイン提案のものが、国内で売れ難いのは、他人と違いすぎる事を嫌う国民性ってのもあるんでしょうね。
ユーザーとすれば、売れないことは、同じ車と出会いにくいってことで、悪くはないですが、
売れないクルマは、マイチェンでコストカットされたり、後継車がでなかったりして、絶版車になる確率が高くなります。
こうして、国内では、欠点はないけれど、個性もない車が売れていくって寸法です。
って言ったら言い過ぎ?

【ランティス・アピール】

まず、やられたのは、前モデルの「アスティナ」
コレが出た時は衝撃的でした。
このころは、国産デザインの当たり年で、CR-XやらZ33フェアレディーなど、個性的かつ良質なデザインの車が多かったと記憶しています。
そんななかでも、アスティナは、欧州車を彷彿させる骨太な出で立ちで、外車以上に外車らしいスタイルでした。
他のメーカーのは、カッコいいけど、やっぱり国産車の風情を残していたのに対し、
アスティナは、もう、異色。
4枚のドアを持ちながら、ここまでカッコイイスポーツクーペは、もう出来ないだろう、って思っていたら、
次に出てきたのがランティス。
アスティナとランティスのデザインアーは、同じらしくて、ドイツのデザイン拠点で行われたようです。
セダンとクーペの2本立てで、売り出しましたが、イメージモデルは、やはりクーペでしょう。
アスティナの骨太イメージ残しつつも、日本的な先鋭なイメージを盛り込むことに成功しています。

私は、この四人乗りスポーツクーペのジャンルがけっこう好きです。
二人乗りならまとめやすいところが、四人乗りのスポーツを上手くこなしているデザインは少ないです。
きちんと4人が乗れる空間を確保しながら、スタイリッシュにデザインするのはなかなかに難題。
4人分の空間を確保すると、どうしてもボディーが間延びしちゃうんです。
これを、じつに上手く解決していたと思われるのが、かのロータスエリート
ロータス・エスプリのスポーツイメージを壊す事なく、4人乗りのスーパースポーツクーペを作り上げたのはまさに画期的。
当時、将来のカーデザイナーを目指すべく、車のスケッチ(注:世間的には「落書き」といいます)を描きまくっていた私には、衝撃的な車でした。
だっって、自分で思い描いていた理想の4シータースポーツクーペが出ちゃったわけですから。
アスティナ、ランティスは、価格的には全く別次元にだけど、コンセプトは似ています。
ウエッジシェイプが効いているのも、共通性があります。
それでいて、日本的な鋭いイメージが練り込まれています。
リアオーバーハングが短く、「プリッ」と跳ね上がった印象のお尻は、現代風でモダンです。
この、ボリューム感と軽快さを両立させたお尻のデザインは、ランティスの見どころの一つですが、
RX-8などは、グラフィクスを変えれば、まさにランティスのお尻と近似しています。

国内市場がしぼんだ事もありますが、
4人乗りをカッコよくみせるスタイリッシュなクーペは、このランティスが最右翼でしょう。

【なぜ買わぬ?】

ま、そんなわけで、ランティスラブな私ですが、
「じゃぁ、なんで、買わん?」
ってことですよね。(汗)

当時は、「カニ目」にやられてミジェットを買った頃だったし、
そもそも、4人乗りスポーツクーペってジャンルはのターゲットではなかったってーのが理由。
当時は、人からもらったシビックシャトルもあって、あえて、スポーツ志向に偏る理由がありませんでした。
もっとも、「欲しい!」って気持ちとは違って、あのデザインの良さにぞっこんだった訳で、
丁寧に乗られているランティスに出会うだけでもハッピーだったってレベルの「ランティス好き」だったってことです。

【遭遇】

そんなわけで、前回の湖で会ったビート乗りのH嬢が、「ランティスも持ってるしぃ〜」って聞いて、心拍数が上がってしまいました。
で、連絡取ったら、心良く(たぶんね(笑))、見せていただけるってことで、いつもの湖畔の駐車場で、接近遭遇です。
ちょいと早めに行って、小次郎気分で待っていると、来ました来ました、緑のランティス。
珍しいリアウィング。(通称“大鳥居”)が目立ってます。
うぉ〜、鳥居、デカッ。
車体は、平成7年って年式を考えると、相当にきれいです。

NCと較べると当然大きく見えますが、5ナンバー枠の小振りなボディーです。
こうして、正面から見ると、バブル期にマツダデザインが確立された事実を実感します。
NCが、全体に厚みのあるフロントフェースということもありますが、
ランティスは、「クラウチング。スタイル」と呼ばれた、低く構えたスタイルである事がわかります。
ちなみに、ヘッドランプは、プロジェクターの熱対策で、ガラスのレンズとか。
上下に薄いデザインを実現する為の対策だそうです。

6気筒V型エンジンは、横置きされますが、このコンパクトなボンネットに収まる事には驚き。
今の車は、衝突安全を前提に設計されるので、相対的にボンネットは厚くなっています。
なので、今後このようなデザインの車を出す事は難しいでしょう。

このクルマの一番の見どころは、このリアビュー。
ああ、たまらん!
かっちょええやん!
先にも言ったように、ドーンとボリューームがあるお尻ながら、
オーバーハングが短く、鈍重なイメージはありません。
そこから、一気に低いフロントノーズに流れるまさに、ウェッジシェイプ。
コンパクトな全長で、よく実現したもの。
このリアビュー、どこかで見たと思ったら、ショーモデルの「鏑(かぶら)」もそっくり。
プリプリお尻が大好きなマツダです。
全面ガーニッシュのデザインは、ヘタすると安っぽくなるけれど、
アスティナ、ランティスは、ベストマッチ。
鏑もたのしみです。

オーナーの声で聞くのが、ホイールとタイヤの隙間。
これは、NCと同じですね。
タイヤとホイールをワンサイズ上げると、スケッチのイメージに近づくでしょう。

これが、問題(?)の「大鳥居」。
前オーナーが付けていたので、はずしても穴が残る、ってことで現状維持の方向とか。
スタイリング的には、ちょとアレな感じもしますが、
もはや絶滅危惧種で、かつ、さらにマイナー度を高めるアイテムとして、はずすのももったいない気もします。
雨の日には、車体カバーに池が出来て、金魚を飼ったりできる予想外な使い方も出来るとか。
ピクニックの時のトレーや、フリマの折りの陳列棚など、実用的な有効利用も考えられます。

エンジンルームが、想像通り、「ギュウギュウ」(笑)
最近の車みたいに、エンジンカバー付ける余裕なんて、多分ないでしょう。
で、ギュウギュウなエンジンってーのは、熱的に厳しいのが相場。
同時代のZ33なんかのオーナーは、オーバーヒート対策で苦労していますし、
「熱くなる」って事は、予想外の部品の劣化も招きます。
ランティスも、ご多分に漏れず、エンジン関係で、やや耐久性に不安があるみたい。
「この部品が割れるんですよ」ってH嬢が指すのは、エアダクト蛇腹部品。
たぶん、けっこうな灼熱地獄なんでしょうね。(^_^;)

外観と較べると、インテリアデザインは、特別凝っている訳でもなく、フツー。
それでも、バブル期に企画されたであろう、豊かさは感じます。
後席にも座らせて頂きましたが、見た目以上に広いです。
囲まれ感があるので、
アニマル系サングラスホルダーは、ビートとおそろいとか。
これ見て思いついたんですが、アニマルフェースのマスクっってどーっすかね。
花粉時期に、トラとか、アヒルとかのアニマルマスク。
絶対売れると思うんですが。ダメ?(笑)

そんなわけで、しばしランティス話で盛り上がったあと、
「どうしても、走っているランティスの姿をカメラに収めたい!」っていう、私の強引な求めに応じて頂き、
近場をひとっ走りすることに。
前半は、後ろを走るランティスのV6の音を聞き、
後半は、前を走るランティスのプリプリお尻を追いかけながら、車載カメラ、エブリオの本領発揮です。
ああ〜、こんなにランティスが見られてしあわせやぁ〜。(^o^)。
某H嬢、ありごうございましたー!

いつもは、オサーンばかりで、お互いの加齢臭にもいい加減辟易しているでしょうから、
次のツーリングでは、グッと平均年齢を下げていきましょう。
ってわけで、次期ツーリング企画募集ですぜ、オサーン達!。

【THEIS Lantische】
ランティスの「とらの穴」的サイト、
ランティスのすべての情報はここにあるといってもいいです。

http://www.netlaputa.ne.jp/~haha/lantische/mry.htm
上記サイトの中で、オナーズ倶楽部が、デザインに関して、開発陣と話しています。
興味深いです。

投稿者 aw@bitlog : 2008年03月09日 20:36

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コメント

おおっ、お友達のランティスですね、カッチョイイ!!
あの頃のマツダデザインって確かに素晴らしいと、今では心から思います・・・が、しかしそれらが現役の頃は、
awさんやご見識のあるご友人たちと違って、国産車しか興味がなかった当時のわたしは、
まったく正反対の4ドアHTだとか、四駆ターボとかに価値を見出しておりました。
ゆえにユーノス500や800、初代センティアなどがカッコ悪く見えてました。
外車に興味が移ってから視野が広がり、今にいたりこうしてawさんたちとコメントのやり取りが、
できるまでに成長?しましたが、あのままいっていたら今頃はマークXかランエボかにでも乗ってたのかなあ?
とも思うわけです、HRVはぜ~ったい、ありえんでしょうね!!

投稿者 しんさん : 2008年03月10日 09:01

追伸:そういえば、件のランティスさん
リアのマツダマークは希少価値ですね
ルノーからクレームがついて、早々に変えさせられたコーポレートマークですよね

投稿者 しんさん : 2008年03月10日 09:04

まぁ、どこに拘るかは人それぞれなんですけど、
客観的に、デザイン力を評価すれば、
あの頃のマツダは「はじけて」ましたね。
デザイン分野で、確実に世界から一目置かれる会社になりましたし、今のマツダがあるのは、あの頃の遺産があるおかげですからね。

投稿者 aw : 2008年03月10日 09:15

>ルノーからクレームがついて

へぇ〜、そうなんですか。
何となく、言いがかりっぽいですが・・・(^_^;)
マツダのデザイン力に、焦りを感じたのかも?

投稿者 aw : 2008年03月10日 09:22

オーナーです。
先日はありがとうございました。
「カーグラフィック」もしくは「新車情報」の”いつもの山坂道”的な
映像が見られましてオーナーは感無量です。
BGMなりナレーションでも入れると楽しさ倍増ですね。

おっしゃる通り、内装はフツーです(泣)
強いて言えばドア内装が少々変わっているでしょうか。
ランティス初心者の方は開ける際に手を掛けるところを探します。
妙に深い蓋つきドアポケットも笑えます。
(あ、当日に教えればよかったですね)

全く関係ないですが
アニマルフェイスのマスクは大賛成です。
私はアヒル顔マスクをつけてみたいですね。(やや本気)

それでは、また近いうちにお会いしましょう。
あの湖には黒ランティスクーペ・緑ランティスセダンも出ます(笑)

投稿者 はとこ : 2008年03月10日 12:21

>おっしゃる通り、内装はフツーです(泣)

いや、すべてに変わってる必要はないですよ。(笑)
そりゃ、好事家的には、外観並に先鋭的だと高ぶりますけどね。
そうすると、本当に売れない事に・・・。

ひょっとして、ランティスの集会ありですか!
次は、走行シーンをバッチリ撮りたいですね。

>アニマルマスク

いいでしょう。
会社の会議とかに、みんなお気に入りの動物マスクで出席するんですよ。
空気が和みそうですよね。(笑)
デザイン画描こうかなぁ・・・。

投稿者 aw : 2008年03月10日 12:58

ランティスの良さは認めます。
でも、ひとつだけ疑問が。
リアのハッチバック、女の細腕で開くんでしょうか? (^^ゞ


投稿者 Nylaicanai : 2008年03月10日 16:05

やっぱ、重いんですかね。
ディーラーオプションだから、ダンパーも交換?
オオゴトですね。

投稿者 aw : 2008年03月10日 18:03

例の緑ランティス、捕捉されたのですね!
私もランティスファンの末席としは、羨ましいです。
こちらのサイトもよく見てましたよ↓
http://allmazda.cool.ne.jp/
そう言えばアスティナを買う気まんまんでDラーへ
行った事を思い出しましたよ。
縁が無く実現はしませんでしたが・・・

動物マスク、もちろん私は河童を注文!
ちまたではレースのフリル付とかが流行ってるようで
それって・・・(^_^;ゞ

投稿者 路渡カッパ : 2008年03月11日 18:37

やはり、アスティナとランティスは被りますよね。

ランティスのファンサイトは、どこも濃いですね。
あれほど、コアなファンを会得したのに、なんで売れなかったのか不思議。
コアな車だったから?(笑)
あの車は、「小型の4人乗りスポーツクーペ」として、一つの完成形じゃないかと思うんですけどね。

カッパマスクって、そのまんまですね。
ヘアースタイルにも凝って欲しいです。(笑)

投稿者 aw : 2008年03月11日 19:03

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