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【ナイスなところ】
なにより、素晴らしいのは、「動作と機能の一致」です。
ページを送ったり移動したりする際のイナーシャを聞かせた操作感は、ページを送る動作とページの移動が一致しています。
「いっそ、ボタンでやったほうが面倒がないじゃん」って話もあるけれど、
初めて使う時に、その「ページ送りボタン」すら探す必要がありません。
人に見せる時、今、こういった動作をして、機械がどう反応しているかが一目瞭然なんです。
「このドアは、こうすれば開きます」って説明するのと同じこと。
ズーム操作は、二本の指で開いたり閉じたりすることで出来ますが、これも動作と機能が完全に一致しています。
いちいち、ズームモードに切り替える必要も、小さなズームボタンを探す必要もありません。
このズームとスライドの操作を繰り返すことで、目的の部分を拡大してみることが、実にストレス無く行えます。

テキストの入力は、従来のソフトキーボードが基本ですが、小さなキートップの不都合を改善する試みがあります。
選ばれている文字が拡大するアイデアは、なるほどです。
文字を打ち込むごとに、学習された候補の単語が出るのは、最近の携帯でもお馴染。
異なるのは、それがボタンとして機能するところ。
携帯は、タッチパネル式ではないので、十字キーで送っていくしかありません。
touchは、当然のことながらダイレクトに選択可能です。

【イマイチな操作性】
写真のインデックスなどを送る操作感はいいけれど、数が多いと、それのみですべてのインデックスを送るのは、正直しんどい！
曲リストなどは、アルファベットなどで、素早いサーチが可能です。
写真の場合も、サーチラインほしいです。

GoogleMapなど、拡大縮小の機能がある地図サイトなどでは、それぞれのページのズーム機能に頼るしかありません。
当たり前だけど、こればっかりは、２本指ズーム出来ない。

Flashが見られないのは、一番のがっかり。
折角のタッチパネルインターフェースをいかしたムービーで遊べると思ったのに・・・。
ウェブでは、埋込み型のムービーはNGみたいで、おそらくtouchのSafariの仕様でしょう。
QTムービーの専用画面に切り替わります。
Youtubeの専用ページは見られるので、Flashに対応していないわけでも無さそうです。
（QTに対応したバージョンに変換されているケースも考えられますが）
であれば、ＱＴと同じく、ローカルのFlashファイルも再生するようにしてほしいところ。
Flashには冷たいAppleだけど、Flashが動作するかしないかは、touchの魅力に大きな差がでるでしょう。
是非とも。

音量を画面操作で行うのは、かなり不便。
結局のところ、音楽再生にかかわる操作は、リモートなどを設けるべき。
まぁ、別売のを買え、ってことでしょうけど、基本機能にかかわるものは、付属にすべきですね。

【どう使う？】
touchは、音楽にしても映像しても、「再生機能」が基本です。
ウェブメールなど、ウェブ上の機能は堪能できますが、そこまで。
touch本体で、それらの情報をリンクすることは出来ません。
たとえば、touchに取り込んだ、写真や音楽を、その他の情報にリンクすることはできません。
これが出来るようになるには、PDA的な情報管理が必要になります。
今のところ、写真の作成日時などの基本的なデータさえ保持出来ていません。
touch用の画像に変換する段階で、なくなっているようです。
私は、ここ数年にブログ用にと撮りためた写真を、すべて入れていています。
人と話をする時に、頭の中にある過去の記憶を呼び起こすのに、この「画像記憶装置」が重宝しています。
かの「ブレードランナー」で、レプリカントが、人間の記憶の証として、何枚もの写真を持っていましたが、
まさに、それ。
頭の中の記憶のイメージは曖昧だけど、映像にははっきりとした記録が残っています。
そんな脳の「補助記憶装置」的な部分を、touchには感じます。
なので、そのためにも、いつ、どこの記憶かの情報が不可欠。
期待は、touchがOSXであることです。
改良やハッキングで、足りない部分が満たされる期待もあります。
さて・・・。

【総じて】
touchのインターフェースは、革新的ではあるけれど、なにより称賛されるのは、アイデアを現実の製品に取り入れて実現したことです。
アイデアなどは、ずいぶん昔から、どこの国産メーカーでも考えていることなんだけど、
実際に商品にはななかかできません。
この違いは何でしょう？
日本は、品質に優れた製品をいくつも出してきましたが、その源は、「チームワーク」ではないかと思います。
でも、チームワークだけでは、なかなかブレークスルーとなる製品は出てきません。
やはりスティーブ・ジョブスのような、牽引するリーダーの存在が不可欠なんでしょうか。
ともかく、このtouchとiPhoneのインターフェースは、ひとつの基点になるものでしょう。
ハードの性能は、もはや十分過ぎるレベルに達した今、
次なる改革は、インターフェースにあるのは疑う余地もありません。
今までの、生産性を重視した開発主導のソフトウェアーから、使う人間を中心に考えた、
いわば、「ヒューマン・インターフェース」の時代が間近に迫っています。

【補足】Gmail画面

ちなみに、Gmailも普通に普通に使えます。
フルＰＣページでもモバイル用簡易ページでもオッケーみたい。
ズームを使いながらの操作だけど、携帯メールと比べれば天と地の差。（自分比）