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2007年06月19日
虚空の建物
先週末、オイルが下がりきったBAJA号を引っ張り出して、久しぶりに林道を走ってきました。
場所は、群馬の南部を東西に走る「御荷鉾スーパー林道 」。
ここは、60キロメートル以上、尾根伝いを走る林道で、関東圏では屈指の距離のある林道です。
とは言え、すでにかなり舗装が進んでいて、実際の未舗装路は、20数キロくらいでしょうか。
それでも、林道派にとっては貴重なエリアの一つです。
ここは、尾根伝いゆえ見晴らしも良く、路面もフラットなので、幾分体力に陰りのあるオッサンにもうってつけ。
スタンディングのまま、気持ちよーく流していけます。
「林道のカブ」と揶揄されるこのバイク、XLRは、本当に乗りやすい。
大抵の凸凹は舐めるように走ってしまうし、アクセルを開ければリアを流せるくらいのパワーもあります。
4輪であれば、頭を打つくらいに跳ねそうな道でも、楽勝でかっ飛べます。
随分とヤレが来ているはずなのに、さすがホンダ。
そんなわけで、走り始めると写真なんて撮る暇ありません。
扉の写真は、秩父の駅近く見つけたセメント工場。
異様な存在感を放つ建物に惹きつけられて、バイクを降りました。
見たところ、何となく廃墟っぽい感じがしたので、柵の隙間から敷地に入ってみました。
近くで見ると、巨大さと、建物が放つエネルギーに圧倒されます。
巨大な構造物は、それが廃墟となってから、俄然魅力を増すのはなぜでしょう。
「廃墟の写真家」として有名な宮本隆司さんは、九龍城をはじめとして、あちこちの廃墟や、阪神大震災直後の神戸の街の風景を撮られていまが、彼の写真などを見ていると、ガランとした虚空が魅力的に思えます。
このセメント工場などは、まさに、文明の構造物たるビルの生産現場であるわけで、
稼働しているときは、ものすごいエネルギーを発していたことでしょう。
今は、巨大な骸のみの存在ですが、稼働しているときの騒音が聞こえるような迫力があります。
建物だけになったとき、純粋に建物のみの存在感が見えてくるんでしょうか。
「朽ちかける」というのもポイントでしょう。
少しづつ「自然と同化」し始めるところに美しさを感じます。
実は、このセメント工場、国内最大手のセメントメーカー「太平洋セメント」の工場のようでした。
ひょっとして、廃墟じゃなかった?(^_^;
なんとなく稼働していないみたいだったんだけど。
でも、被写体として美味しいですね。
機会があれば、じっくり撮りたいもの。
投稿者 aw@bitlog : 2007年06月19日 09:57
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