bitlog

外見の印象は、写真以上にダイナミック。
おおざっぱに言えば、大抵のクルマは、いくつかの「箱」が組み合わさった造形をしていますが、
このクルマに限って言うと、「箱」の部分が非常に少ないです。
RX-８と共通のダイナミックな塊が集合している感じ。
ボンネットのボリュームに、フェンダーのボリュームが合体している感じ。
こういった、非常にダイナミックだけれど、
面の始点と終点は、これ以上でも以下でもないところに落ち着いて、
バランスが取れた造形は、もはやマツダの専売特許といえるほど。

コンセプトは、「クロスオーバー・スポーツ」。
スタイリングに関する限り、実に的を射たまとめ方です。
わかりやすく言えば、アテンザの線を太くして、もう少しスポーティーに振った感じ。
このクルマの本質は、「背の高いスポーティーなアテンザ」じゃないかと思います。
（アテンザ＋RX-8+SUV）÷３ってところ？。
つか、もろにそれってくらいわかりやすいポジションです。
内装も同様。
アテンザを、もう少し、ごつく、スポーティーにした感じ。
走りも同様。
2.3Lのターボは、ターボらしからぬ穏やかなフィールで、多分軽くはないであろう車体を、軽々と引っ張ります。
ハンドリングは、やはりアテンザと似た印象。
大きなクルマを運転している感じは薄く、とにかく「軽い」です。
うーん、もう言うことがなくなっちゃった。(^_^;

少し冷めた目で見ると、もう、それ以上に論じることが無いくらいに、「わかりやすい」クルマです。
正直な印象をいうと、味わいがが薄いです。
これだけダイナミックな造形なのに。
なんででしょう・・・。
このクルマの主戦場が北米であることも関係しているかも知れませんが、
ほどほどの値段で、そこそこ美味しく食べられるでかいステーキみたいな感じ？
満腹感は得られるでしょうけど、満足感は微妙です。
開発者としては、とても良い仕事を成し遂げたと思われますが、
「ものに対するコダワリ」はイマイチ感じられません。
日産のムラーノなども、同じような生い立ちのクルマです。
内装も北米向けテイストな、やや大作りな印象がありますが、デザインのコダワリは、ずっと粘着質な「濃さ」を感じます。
恐らく、この程度で充分売れるんでしょうけど、
その「薄っぺらさ」が見えてしまってはいけません。
安いお肉でも、味噌漬けにするなどの工夫をして、高いお肉に負けない満足感を与えるのは出来るはずです。

化粧品のガラスビンを包むアクリルのパッケージのようなリアランプ。
ガラスのビンにしてほしいところ。

＃試乗の同乗者は、何度かお世話になってる女性の営業スタッフ。
なかなかかわいい彼女の所有車は初代ユーノスロードスターだとか。
色は黒で、もう15万キロ。
お客さんの下取り車を買い取ったのでその距離なんだそうです。
休みには、そのロドで伊豆の温泉に行かれるそうで。
営業スマイルとわかりつつも、オヤジには楽しい試乗でした。(^_^;