« 行ってきました、東京もちゃショー2006 | メイン | 雨の日は美術館へ »
2006年07月17日
テーマは何?
北米でのトヨタの“ドル箱車”カムリです。
外観イメージではそう見えないですが、実は、結構でかいサイズです。
国内ではセダンが売れないので、国内専用はあきらめて、メイン市場向にデザインされたものを国内にも宛がった“今風”の車です。
お尻の造形は、高いトラックリッドとサイドからのラインを奇麗にまとめようと腐心した後が見られます。
最近のトヨタ車は、複雑な面のつながりを、とにかくスムーズに処理しており、面の品質感や加工精度は、国内メーカ随一と言えるかも知れません。
しかしながら、気になる箇所があります。
以前は、まったく空気の様な個性を排除したデザインだったのが、一見して“視線に引っ掛かる”処理をするようになりました。
新型のdBなどでは顕著ですが、この車にも見られます。
リアランプのレンズの形状ですが、普通は端に行くほどすぼまる形状が視覚的に安定するところを、端に来るほど広がっています。
他の形状が極めて落ち着いているが故に、この部分がとても目立ちます。
どうも、意識的に、通常の造形ルールを破っているように見えます。
個性的なデザインが特徴の、イタリア車やフランス車などでは、まれに、個性的な造形が見られますが、全体がアバンギャルドであったとしても、部分的にこのような掟破りの造形をすることはあまり記憶にありません。
しかも、このレンズ形状は、機能的にはまったく説得力がなくて、純粋に装飾としての価値しかありません。
単に視覚的な特徴を与えるだけの造形は、ちょっとレベルが低いと言わざるを得ません。
もっとポリシーのあるデザインを出来ないものでしょうか。
投稿者 aw@bitlog : 2006年07月17日 10:28
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.bit-motors.com/~artworks/mt/mt-tb.cgi/641
コメント
端に行くほど広がっているというのは、ボディの左右に対しての内側のことですか? 逆にいうと外側が細くなっているので、先鋭的でいいかな、と感じるんですけど(^^ゞ
話は変わって、国産車のデザインは最近に来て変わってきましたね。
でも、その変化をもたらしたものが、国内よりもグローバルスタンダードを優先させた結果というのが悲しい。
日本ならではの企画、デザイン、個性、機能の中にも、ひとつくらいは世界に通用するものがあって良いと思うんですけどね。
と思って、頭をひねっても何も出てこないけど(^^ゞ
投稿者 Nylaicanai : 2006年07月17日 13:47
内側に向かって更にレンズの上下の幅が広がっているでしょう。
こういう造形ってあまり見ません。
このレンズ下端のラインのみが、他のどのラインとも関連していないんです。
もちろん、わざとそういう刺激ある造形を試みることはあると思うんですが、このリアの造形から言えば、もっと素直な形で良かったのではと思います。
もっとも、ターゲットが北米であることを考慮すれば、批判は正しくないですが。
世界に通用するものは「軽」と「ミニバン」じゃないでしょうか。
世界に通用するジャパニーズ・スタンダードではないかと。
それに、ロドを忘れてはいけません。
もっとも世界に影響を与えた日本車ですから。
投稿者 aw@bitlog : 2006年07月17日 15:11
>このレンズ下端のラインのみが、他のどのラインとも関連していないんです。
ここ、確かに不細工です。以前にawさんが指摘されていた、NCのメーターパネルとメーターの関係みたい。
世界に影響を与えた日本車、身近すぎてロードスターを失念しておりました(^^ゞ ただ、軽自動車やミニバンは? 日本の軽より、「smart」の方が遙かに上をいっているような……
投稿者 Nylaicanai : 2006年07月17日 19:15
>NCのメーターパネルとメーターの関係
そう!ずばりです。
サスガ、Nylaicanaiさん!
どんなに個性的な車でも、こういう造形の法則は守ってるんですよ。
スタイリングに拘る車ほど、こういった線や面の整合に隙がないと思います。
アストンマーチンやフェラーリを見れば、歴然ですね。
ところが最近のトヨタ車は、あっさり一線を越えちゃってるんです。
dBなんて合っているところが少ないくらい。(^_^;
smartいいですね。
つか、買い置きしたいです、ハイ。
デザインのみ較べるともう、大抵の車が太刀打ちできません。
パッケージングや快適性など、デザイン以外では国産軽の実力は相当に高いと見ています。
投稿者 aw@bitlog : 2006年07月17日 20:20
トヨタは工業的な品質はもはやぶっちぎりで世界一ですが、いかんせん、形で何らかの訴え掛けをしようとする事を半ば意図的に抑制(コントロール)していますね。 特に世界で拡販しなければならない「ビッツ」「カムリ」はその最たるもので、この二台を観ていると登場間近の「カローラ」が透けて見えるようです。
完璧な白モノの開発はできる、あとはそれぞれ必要に応じてスパイスを「効かせば」良い。 …件の部分はそのスパイスの現れなんでしょう。で、それがゴッソリ入ると「bB」が出来たりすると。 でもそんな料理法で造れるのはせいぜい高級冷凍食品どまり。国内でレクサスが苦戦している原因は、そんな処なのかも知れません。
ところであの唐突な下さがりですが、一応ライセンスプレートエリアの下端とつなげようとしてはいる様です。ここをリアランプも含めて一本の曲線でつなげてしまうと、マイナー前のインスパイアに似てしまうので、それを避けたのかも知れません。
投稿者 おむ : 2006年07月18日 01:51
>国内でレクサスが苦戦している原因
一因ではあるでしょうね。
トヨタ車の中では、“クルマらしく”はありますけど、
トヨタ車共通の“クルマ臭”の少なさは感じます。
“造形のルール違反”は、そんなトヨタのクルマ作りの表れでしょう。
パクリと言われたウィッシュには、トヨタの車の中でもっともクルマ臭さを感じるのは、皮肉でしょうか。
因みに、「ネームプレートの下端と揃える」としても、それは造形的にはなんの説得力も必然も無いのではと思います。
私は、仕事柄か、このような脈絡のない形を見てしまうと、残像が頭の中に残ってしまい、大げさではなくて、気持ちが悪くなってしまいます。
オーナーの方には本当に失礼な話なんですけどね。
セリカの時には、ストーキングしたくなるほどなのに・・・。
投稿者 aw@bitlog : 2006年07月18日 03:00
ああ、セリカいいなぁ(初代流面型限定で)。リトラクタブルのお面だけはダメなので、同時期のコロナクーペのを移植すれば完璧だ〜。
関係ないけど、「ビッツ」「ベルタ」「カムリ」のヌートリアと言うかブルテリアというか、あのお面は正直ぶさいくだなぁと思います。
投稿者 おむ : 2006年07月19日 01:30