« 年末おすすめギャラリー | メイン | ケ・セラ・セラ »

2005年12月04日

表参道ヒルズ

来年1月オープンだそうで、工事もいよいよ最終段階の様子です。
なんでも、建物に対してかなりの賛否があるとか。
建築家は、かのコンクリートとガラスを使った建物で有名な安藤忠雄氏。
反対意見の一つは、大まかに言うと、
「表参道の暖かみのある雰囲気には、コンクリートの冷たさは似合わない」
とか。
確かに、表参道のケヤキ並木には、暖かみのある石や煉瓦調のものは似合うという意見も普通に理解できます。
ただ、「素材にコンクリートを使っているから、冷たいイメージ」というのは、少々理解が足りないように思います。
氏の建築哲学は、「環境や自然との共生」がテーマですから、プロジェクトの全体で判断する必要があるでしょう。

表参道のケヤキ並木の景観を壊さぬようにと言う配慮から、地上6階地下6階の形になったと聞いています。コストや高層からの眺めを考えると、高層にする方が遙かに有利なわけですが、氏のデザインになる建物は、どれも低層で周囲の環境に馴染ませようという配慮があります。
さらに、氏のコンクリートの仕上げや採光の具合は、実に穏やかで大きな暖かみを感じます。今回も地下にまで、できるだけ外光が届くような配慮があると聞いています。
氏の作品のコンクリートは、歳月とともに良い味が出てくるように思います。
私は、表面的な大理石や煉瓦ではなく、仕上げの良い本物ののコンクリートが、時とともに良い風合いになって、ケヤキ並木に馴染んでくるものと想像しています。

もう一つ話題になっているのが、”復元された”「青山アパート」です。
新しい建物が建つと、前に何があったかを忘れてしまうののですが、
歴史的にも意義のあった建物の記憶をとどめたのも、氏の細やかな配慮を感じます。
この軒に対しても、「完全な復元を目指すべき」という意見があります。
しかし、それでは、記念館になってしまうような気がします。
「建物は、出来上がったら完成ではない。年月とともに使われて、完成していく」
というのが、安藤氏の持論ですが、青山アパートを”新生”したかったのではないかと思います。
新旧の建物が同時にスタートして、それぞれの意義を考えるのは興味深い試みかと思います。
オープンが楽しみです。

投稿者 aw@bitlog : 2005年12月04日 17:31

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.bit-motors.com/~artworks/mt/mt-tb.cgi/351

コメント

あけましておめでとうございます。
昨日たまたま通りかかって見ましたが、事前に構想知らなかったのでビックリ!あれはやはり復元で、リフォームじゃなかったのね(笑)

またまたいつもの感じに様変わりするのかなと(都内ではそんなのばかりだし)半ばうんざりした気持ちでしたが、かつての温かみある建物がそのままってとこはちょっといい感じがします。ほんとは土の地面や草木もそのままにしてほしかったけど、、、。
最上部分が横並びで居住空間みたいなベランダが並んでましたが、あのへんにちっちゃい事務所構えられたらいいなぁと思ったりして。

投稿者 Korima : 2006年01月10日 14:58

>あのへんにちっちゃい事務所

いいっすねぇ〜。
相当稼がないと無理そうだけど。(^_^;)
今年もよろしくです。

投稿者 aw@bitlog : 2006年01月10日 15:21

コメントしてください




保存しますか?

(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)